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太陽光パネルをリサイクルする方法とは?手続きの流れや廃棄問題について解説

使用していた太陽光パネルは原則、産業廃棄物として回収が必要です。太陽光パネルの撤去・交換後に検査が行われて、回収からリサイクルが実施されます。

しかし、「太陽光パネルをリサイクルする方法を知りたい」「太陽光パネルの廃棄問題って何?」などの疑問が出てくるでしょう。

そこで本記事では、太陽光パネルをリサイクルする方法や流れを解説します。太陽光パネルの廃棄問題についても紹介するので、気になる人はぜひチェックしてください。

太陽光パネルをリサイクルする方法

太陽光パネルは2030年頃に起きると言われており、大量廃棄問題に向けて備える企業が増えています。太陽光パネルをリサイクルする際は、産業廃棄物として処理しましょう。

使用していた太陽光パネルの利用が終了した場合、リユース可否を確認します。リユースが難しいと判断した太陽光パネルは、産業廃棄物として処理を依頼します。太陽光パネルの処分は廃掃法によって対応方法が定められており、リユースが難しいとされたら産業廃棄物として処分が義務付けられています。必ず不法投棄をすることなく、専門業者へ依頼して処分を行いましょう。

太陽光パネルを産業廃棄物として処理を依頼した後、専門業者によってリサイクルもしくは埋立処分が行われます。リサイクルされる場合は、金属類とガラス類に分けられて環境負荷の低減が進められます。

太陽光パネルの寿命は15〜20年

太陽光パネルのリサイクルを検討する際は、製品自体の寿命について把握しておきましょう。

一般的に太陽光パネルの製品寿命は15〜20年程度と言われています。太陽光発電設備の法定耐用年数は17年のため、メンテナンスしながら稼働させれば20年は使えるでしょう。

また、太陽光パネルは4年に一度の定期点検を行い、経年劣化した部品を交換すれば30年以上の期待寿命がある製品です。実際に京セラが保有する太陽光パネルは、1983年に導入し30年以上経過する2023年現在も稼働しています。

太陽光パネルの処分には費用がかかる

太陽光パネルを処分する際は「撤去費用」と「処分費用」の2つのコストがかかります。

太陽光パネルを撤去する際は、作業費や人件費などがかかります。足場代なども含めると30万円前後の費用が必要です。撤去後も屋根を使い続ける場合、部分補修を含めた減少復帰費用が求められます。

また、屋根から下ろした太陽光パネルを処分するためには、専門業者へ回収を依頼します。ソーラーパネルのサイズ・重さによって費用は異なり、15kgの単結晶パネルを回収依頼するなら、1枚あたり2,000〜3,000円程度の処分費用が発生します。太陽光パネル回収後の運搬費は、現場から処分場までの距離で費用が異なります。

太陽光パネルをリサイクルする際の流れ

太陽光パネルをリサイクルするまでの流れは、以下のとおりです。

  • リユース・リサイクルの有無を判断する
  • 解体・撤去
  • 収集・運搬
  • 処理の実施

それぞれ順に解説します。

リユース・リサイクルの有無を判断する

太陽光パネルをリサイクルするまでは、まず再利用が可能か判断が必要です。一般的には太陽光パネルの利用が終了した後、専門業者によってリユースの可否を確認してもらいます。

一般的にリユースが可能な場合は廃棄物処理を行う前に、中古の太陽電池モジュールを取り扱う業者へ回収を依頼します。リユースを依頼する場合は、古物商の許可を保有しているかチェックし、信頼できる業者へ依頼しましょう。

また、太陽光パネル自体の破損が酷かったり、再利用が難しかったりする場合は産業廃棄物としてリサイクルの手続きを進めます。

解体・撤去

太陽光パネルをリサイクルすると決まったら、解体・撤去活動が行われます。太陽光パネルを正しく処分するためには、適切な解体・撤去を行うには定められた手順が存在します。太陽光発電設備の解体・撤去工事を行う際は「建設廃棄物処理指針」を踏まえた上で作業を実施する必要があります。太陽光パネルの解体・撤去工事の流れは、以下のとおりです。

  • 作業周囲の環境確認
  • 電力系統の遮断
  • 太陽電池モジュールの取り外し
  • 分別保管

また、太陽光パネルの解体・撤去工事には転落や感電の危険があります。十分な対策を行わなければ、事故が発生してしまいます。太陽光パネルの解体・撤去を依頼する際は、施工業者が安全管理において十分な対策をしているか確認しておきましょう。

収集・運搬

太陽光パネルの解体・撤去が完了した後は、収集・運搬が実施されます。産業廃棄処理業者によって収集され、専用処分場まで運搬されます。太陽光パネルは産業廃棄物に指定されているため、運搬する際には十分な注意が必要です。

廃棄物処理法施行令に基づいた手続きが必要であり、運搬方法・運搬車にも様々な要件が存在します。例えば、太陽光パネルの梱包や積込みにはそれぞれ手順が定められており、安全性を保つためにはそれらの準拠が必要です。

そのため、太陽光パネルを産業廃棄処理業者へ委託する際は、正しい手続きが行われる業者か事前にチェックしておくと安心です。

処理の実施

専用処分場まで運搬された太陽光パネルは、リサイクルもしくは埋立処分が行われます。太陽光パネルのリサイクルは部品・素材によって手続きが細かく分かれています。具体的には以下の品目に分類されます。

  • 金属くず
  • ガラスくず、
  • コンクリートくず及び陶磁器くず
  • 廃プラスチック類

また、産業廃棄物処理の委託業者が本来の手順とは異なる処分方法を実施した場合、廃棄物処理法によって処罰が下されます。万が一、委託業者が違法行為をしていた場合、基本的に依頼者が罪に問われることはありませんが、専門機関からの調査が入るため信頼できる業者を選びましょう。

太陽光パネルは廃棄問題が発生している

太陽光パネルのリサイクルを依頼する上で、廃棄問題は避けては通れません。

再生可能エネルギー由来の電気の固定価格買い取り制度(FIT)によって急増した太陽光パネルは2030〜2040年にかけて大量に寿命を迎えるとされています。その上で、太陽光パネルの廃棄問題が発生しているのです。特に以下の3つが大きな問題とされています。

  • 放置・不法投棄
  • 有害物質の発生
  • 最終処分場のひっ迫

太陽光パネルの廃棄には一定の費用がかかります。パネルの枚数が多ければ、10万円前後の費用がかかるケースも少なくありません。処分費用を削減するために、太陽光パネルを稼働させている土地が私有地の場合、処分することなく放置される点が懸念されています。

また、太陽光パネルを処理する際は、鉛やカドミウムなどの有害物質が含まれています。処理を行う業者の中には、適切な対応が実施されていないケースが考えられます。結果として、太陽光パネルを処理することで有害物質が流失されるのではないかと考えられています。

さらに、同時期に設置された太陽光パネルは2030年前後に大量廃棄の時期を迎えます。ピーク時は産業廃棄物の最終処分量が年間排出量の6%に達すると試算されています。一時的に太陽光パネルの処分が逼迫されているとされ、対応できるのか問題視されているのです。

まとめ

以上、太陽光パネルをリサイクルする方法や流れを解説しました。太陽光パネルのリサイクルを依頼するためには、処分されるまでの手順を把握しておきましょう。2030年頃には太陽光パネルの廃棄問題がピークに達すると試算されています。

太陽光パネルを保有する事業者として、処理の流れや懸念されている問題点を把握しておくことが重要です。

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