蓄電池を導入するメリット・デメリットを徹底解説!
「蓄電池の導入を検討しているけど、イマイチどのようなメリット・デメリットがあるのか分からない…」という人は多いと思います。メリットは何となくイメージはできると思いますが、デメリットはあまり浮かばないかもしれませんね。この記事では、そんな疑問を解決できるように蓄電池のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
蓄電池導入のメリット
まずは、蓄電池を導入するメリットから確認していきましょう。
- 電気を賢く使える(電気代が安くなる)
- ピークシフトによって環境問題に貢献できる
- 災害などの緊急時でも電気を使える
- パワコン一体型にすることで経済的になる
- 電気自動車と相性が良い
メリット①:電気を賢く使える(電気代が安くなる)
太陽光発電と蓄電池を組み合わせれば、さまざまな用途に電気エネルギーを使うことができます。例えば、「溜めた電気エネルギーを売電する」こともできますし、「夜など太陽光発電ができない時間帯に溜めた電気エネルギーを使う」などですね。
投資として蓄電池導入を考えている人もいますが、近年の電気代高騰の影響から節電目的で導入する人も増えてきています。電力会社からの電力を使わない時間帯を作るだけでも、月々の電気代はどんどんと安くなります。賢く使うためには、導入する蓄電池の種類もしっかりと考えていきましょう。
メリット②:ピークシフトによって環境問題に貢献できる
ピークシフトとは、電力を最も多く使う時間帯(13時~16時)に電気を使わないことを指します。つまり、電力会社からの電気に頼らず溜めた電力を使うということですね。この時間帯をズラすという行為で、環境問題に貢献することができます。
電力会社は電力を供給するために、水力発電・火力発電などの調整用発電施設を動かしたり止めたりしなくてはいけません。しかし、動かしたり止めたりを繰り返すのは稼働効率が悪いです。ピークシフトすることで、この動かしたり止めたりの頻度を少なくすることができるのです。
メリット③:災害などの緊急時でも電気を使える
日本は自然災害が非常に多い国です。とくに地震や台風に関しては、毎年のように発生するほど高い頻度を誇っています。このような災害時に怖いのが、大規模・長期間の停電状態でしょう。夏や冬などに停電してしまうと、命に関わる可能性まであります。
しかし、蓄電池が稼働していれば停電時でも電気を使うことができます。もし災害時の保険として蓄電池を導入する場合は、蓄電容量が大きいものや連続使用できるものがおすすめです。使用時には漏電などに注意しましょう。
メリット④:パワコン一体型にすることで経済的になる
すでに太陽光発電システムを導入している場合、それ専用のパワーコンディショナー(パワコン)を導入していると思います。蓄電池を導入したいけどパワコンのせいで置く場所がない…、パワコンも交換しないといけないのに経済的に厳しい…というケースがあります。
そこでおすすめなのが、パワコン一体型の蓄電池の導入です。これで設置場所の問題は解決できますし、パワコン交換のタイミングと重なれば一石二鳥とも言えますね。もし現在のパワコンと比較して変換効率が良い場合、太陽光パネルの容量に関わらず売電量も増えて経済効果が期待できるでしょう。
メリット⑤:電気自動車と相性が良い
ガソリン代高騰などの影響を受けて需要が増えているのが、電気を燃料として動く電気自動車です。電気代も高くなっていますが、もし蓄電池の電力ですべて賄えればエコですよね。いちいちガソリンスタンドに行く手間なども必要ありません。
「蓄電池」「太陽電池モジュール」「電気自動車に内蔵されている蓄電池」の3つをシームレスで繋いでいく「トライブリッド蓄電システム」を活用すれば、運転から充電までスムーズに行えます。もし日中に車を使わなかったとしても、上記システムがあれば状況に応じて電気の流れを切り替えてくれるため無駄がありません。
蓄電池導入におけるデメリット
蓄電池には多くのメリットがあると分かりましたね。しかし、デメリットも当然ですが存在しています。導入後に後悔しないためにも、メリットだけでなくデメリットも理解しておきましょう。
- 初期費用が高い
- 無限に溜められるわけではない
- 蓄電池は劣化していく
- 設置場所が限られる
デメリット①:初期費用が高い
蓄電池最大のデメリットは、やはり初期費用・コストが高いという点でしょう。メーカーや機種、性能、その他オプションの有無などで大きく異なりますが、家庭用でもおおよそ150~250万円ほどはかかってしまいます。ポンっと出せることは難しいでしょう。
ただ、補助金制度を使って負担額を減らせるケースもあります。とくに蓄電池の場合、単体導入でも補助金の対象になることが多いです。太陽光発電システムと同時に導入すれば、さらに補助金が加算されることもありますので、気になった人は以下のページも参考にしてみてください。
「太陽光パネルを導入したいけど補助金制度って使えるの?【】」
「蓄電池導入による国や各自治体の補助金制度を分かりやすく解説!【】」
デメリット②無限に溜められるわけではない
蓄電池は電気エネルギーを溜めることができますが、蓄電池ごとに最大容量は決められています。どれだけ高性能で大きい蓄電池だったとしても限界があるのです。使った分は当然減っていきますし、まだまだ容量があると思って放置しておくと非常時に使えないリスクがあります。
普段だと電気料金さえ払っていれば無限に使えるため、「電気残量」をあまり意識しないですよね。最近の蓄電池は「電気残量」や「モード設定」「放電開始時間」などを設定することができますので、上手く活用すれば快適な蓄電ライフを送れるでしょう。
デメリット③蓄電池は劣化していく
蓄電池はずっと同じ性能が続くわけではありません。放電と充電を繰り返すと、どんどん効率は落ちていってしまうのです。蓄電池の種類にもよりますが、10年~15年ほどで寿命がくるとされています。もし効率を重視するなら、定期的に蓄電池を交換しなくてはいけません。
メーカー保証で無償交換できることもありますが、基本的に寿命による交換は有料になることがほとんどです。今使っているものよりも高性能なものを選べば、それだけ導入コストも高くなってしまいます。そのため、もし今の蓄電容量でも満足している場合は交換せずに使い続ける選択肢も検討してみましょう。
デメリット④設置場所が限られる
蓄電池を実際に見たことがない人は想像つきにくいかもしれませんが、太陽光発電における蓄電池は非常に大きな装置となります。これもメーカーや、屋内タイプ・屋外タイプによって多少異なりますが、屋外タイプになるとエアコンの室外機が2台くらいあると想像してみてください。
設置場所が限られる理由が分かったと思います。それに加えて、高温多湿なところは避ける、雨風があたらない場所に置くなど、完璧な条件を満たすのは非常に難しいです。設置するのに工事も必要ですし、悪徳業者だと適当な場所に設置して無視されるケースもあります。
屋内タイプは屋外タイプと比較して小さめですが、配線の都合で置ける場所が限られてしまいます。蓄電池の他にパワーコンディショナーを置くこともあるため、圧迫感を感じてしまうことも多いです。最近では蓄電池とパワーコンディショナーが一体化しているものもありますので、そちらを検討してみると良いでしょう。
まとめ:デメリットを理解した上で検討しよう
今回の記事をまとめると以下のようになります。
・メリットも多いがデメリットもある
・緊急時での利用、電気代削減が主なメリット
・初期コストの高さが最大のデメリット
蓄電池の導入にはメリットもデメリットもあると分かりました。そのため、メリットだけを見て導入するのは危険です。デメリットを把握した上で「それでも導入するメリットの方が大きい!」と感じた時のみ、業者に頼んで見積りを出してもらいましょう。導入後に後悔しないのが最も重要です。