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太陽光パネルの廃棄問題とは?懸念される理由や課題・意識するべきポイントを解説

太陽光発電は環境にもやさしく、売電収入を得られることから多くの事業者や家庭で導入されています。しかし、「太陽光パネルの廃棄問題って何?」「太陽光パネルの廃棄問題が懸念されている理由が知りたい」と考えている人も多いでしょう。

そこで本記事では、太陽光パネルの廃棄問題の概要や懸念される理由と課題を解説します。太陽光パネルの廃棄問題に対して意識すべきポイントも紹介するため、気にになる人はぜひチェックしてください。

太陽光パネルの廃棄問題とは

太陽光パネルの廃棄問題とは、2012年に策定されたFITにより導入された多くの太陽光パネルが2030〜2040年にかけて一気に寿命を迎えることを指します。

太陽光パネルの寿命は15〜25年程度とされており、2012年前後に導入された太陽光パネルは寿命を迎えてしまい、これまでとは比べ物にならない数の処分対応が必要になります。実際に環境省が発表したデータによると2040年には年間80万トンもの太陽光パネルが廃棄されると試算されています。

太陽光パネルの廃棄がピークを迎えることで、最終処分場がひっ迫する恐れがあります。そのため、企業や家庭における太陽光パネルの廃棄問題を未然に防ぐため、国を主体として様々な対策が行われています。

リサイクル義務化の活動が進んでいる

既存の処理方法では太陽光パネルの適正な処分方法が確立していないため、廃棄問題の弊害になると予測されています。そのため、環境省は使用済みの太陽光パネルのリサイクル義務化が進められています。

2021年からリサイクル義務化に関する制度の検討が行われており、2030年代後半を目処に策定が期待されています。リサイクル義務化の具体的な内容としては、既存の建設リサイクル法を改正し、太陽光パネルを対象品目へ追加を目指しています。これにより、解体業者による再資源化を行うことで、適切な処理制度の整備を目的としています。

太陽光パネルにはガラスや金属などの有害物質が含まれているため、廃棄法によってリサイクルが義務付けられています。

廃棄費用積立が開始されている

太陽光パネルのリサイクル義務化は検討中ですが、2022年7月には太陽光発電設備の廃棄費用積立が開始されています。

太陽光パネルの廃棄費用積立とは、事業用の太陽光発電に関連する設備を廃棄する費用の積立を指します。これまでは、太陽光発電設備の積立は努力義務とされており、企業ごとに対応が異なっていました。

しかし、廃棄費用積立が義務化されたことで資源エネルギー庁が定める基準に則って費用の積立が義務化されました。廃棄費用積立の義務化の理由は、発電事業の終了後に放置不法投棄されるのではないかといった懸念が顕在化しているためです。

また、積立金額は調達価格/標準価格の算定において、想定している金額です。調達期間から交付期間の終了前10年間を外部積立の期間と定めています。

太陽光パネルの廃棄問題が懸念される理由と課題

太陽光パネルの廃棄問題が懸念される理由と課題は、以下の通りです。

  • 不法投棄される懸念
  • 廃棄プロセスが明確化されていない
  • 処理時に有害物質が発生する

それぞれ順に解説します。

不法投棄される懸念

太陽光パネルの廃棄問題における懸念事項として、使用済み設備の放置・不法投棄が挙げられます。借地で太陽光発電事業を行なっている場合、事業終了後の現状復帰が義務付けられているため、設備の放置や不法投棄が発生するリスクは低いです。

しかし、事業者が保有している土地に設置されている場合、コストを抑えるため太陽光パネルを土地へそのまま放置・不法投棄される可能性があります。太陽光発電設備の廃棄には一定のコストと労力が必要なため、手続きが必要な状態にも関わらず放置されてしまいます。

また、中には太陽光発電設備の廃用費用を積立ていないことで、費用捻出が難しい企業も存在します。一方で、廃棄費用の積立を行なっている事業者は少なく、太陽光パネルの不法投棄を防ぐための課題と言えるでしょう。

廃棄プロセスが明確化されていない

太陽光パネルの廃棄問題の懸念として、廃棄プロセスが明確化されていない点があります。

太陽光パネルは原則として産業廃棄物として回収され、リサイクルもしくは素材を再利用します。しかし、これらの廃棄プロセスは地方自治体によって対応が異なり、リサイクルの手順は厳密に制度化されていません。

前述の通り、環境省主体でリサイクル義務化が進められていますが、現状は大量廃棄による最終処分場のひっ迫が懸念されています。実際にFIT全盛期に導入された太陽光パネルの大量廃棄は、産業廃棄物の最終処分場の6%に達すると試算されています。事業者が正しく太陽光パネルを廃棄できる仕組みが作られていない点は、廃棄問題を解決する上での大きな課題です。

処理時に有害物質が発生する

太陽光パネルには有害物質が含まれており、処分時に流出するのではないかと懸念されています。正しく処理すれば、有害物資の流出・拡散は防げます。

しかし、一部処理業者の中には、太陽光パネルに有害物質が含まれていることを把握しておらず、適切な処理が行われていないケースがあります。結果として、太陽光パネルの処理が正しく行われず、有害物質を発生させていました。

2023年現在では、太陽光発電協会が策定したガイドラインに則って廃棄が進められています。有害物質の流出は情報不足によって発生したため、多くの処理業者へガイドラインの準拠が求める必要があるでしょう。

太陽光パネルの廃棄問題に対して意識するべきポイント

太陽光パネルの廃棄問題に対して意識するべきポイントは、以下の通りです。

  • リサイクルとリユースができるように扱う
  • 最新の廃棄問題を把握しておく

それぞれ順に解説します。

リサイクルとリユースができるように扱う

太陽光パネルの廃棄問題を意識するためには、製品をリサイクルやリユースできるように扱いましょう。

最終処分場のひっ迫を回避するには、太陽光パネルの廃棄量の削減が重要です。太陽光パネルのリサイクル・リユースを推進することで、最終処分場での廃棄を防ぎ、環境を意識した活動が可能です。

また、太陽光パネルのリサイクル促進に関しては、国主体でも進められています。リサイクル義務化の2030年〜2040年にかけて事業者の意識が変われば、廃棄問題も解決へと進められるでしょう。

最新の廃棄問題を把握しておく

太陽光パネルの廃棄問題に対して、事業者側も最新の情報を把握しておく必要があります。

リサイクルの義務化や廃棄費用の積立など、太陽光パネルに関する環境は日々変化しています。太陽光の廃棄問題は事業者や回収業者の情報不足によって起きているケースも少なくありません。

そのため、環境省をはじめとした一次情報や時事的な問題も把握しておくと良いでしょう。

まとめ

以上、太陽光パネルの廃棄問題の概要や懸念される理由と課題を解説しました。

太陽パネルの廃棄問題は2030年ごろにピークを迎えるとされており、それまでに対策が必要です。

一方で、環境省による廃棄環境の整備や廃棄業者の認識不足などの課題も存在します。そのため、事業者側も太陽光パネルに関する情報をキャッチアップし、都度対策することが重要と言えるでしょう。

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