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FIT制度終了で売電価格は低下!制度終了後に取るべき選択肢とは?

FIT制度は再生可能エネルギーを固定価格で買い取ってくれる制度です。

FIT制度のおかげで太陽光発電設備の所有者は、一定以上の安定した価格で売電を続けることができます。

しかしFIT制度には期間があり、制度終了後は売電価格は大きく低下してしまいます。

この記事では、FIT制度が終了することによって起こる問題と、FIT制度終了後に太陽光設備所有者が取るべき選択肢を解説します。

FIT制度が終了するとどうなる

FIT制度は発電した電気を固定価格で買い取ってくれる制度ですが、FIT制度が終了しても売電ができなくなるわけではありません。多くの場合は、FIT制度が終了した後もこれまで契約していた電力会社が電気を買い取ってくれます。

ただし、売電価格はFIT期間に比べ大きく下がります。

仮に2013年に太陽光発電を導入し、FIT制度が適用されたならば、売電価格は38円/kWhです(10kw以下の住宅用太陽光発電の場合)。これはFIT期間の10年間変わることなく続きます。

しかしFIT期間が終了する2023年では、FIT期間終了後の大手電力会社の電気買取価格は平均して8円/kWhほどです。つまり5分の1近くにまで売電価格は下がることになります。

FIT制度の終了により、これまで売電収入で利益を得ていた人は大きな痛手を被ることになります。住宅用太陽光発電のFIT期間が終了する10年の期日を迎えた人は、自分にとって最も利益が得られる形を取れるように、売電のやり方を見直す必要があります。

FIT制度終了後の3つの選択肢

FIT制度終了により、売電価格が大きく下がることは先ほど説明しましたが、FIT制度終了後に太陽光発電設備所有者が取るべき選択肢は大きく分けて3つあります。

取るべき選択肢は以下の3つです。

  • 「これまで通り売電を続ける」
  • 「売電する電力会社を変更する」
  • 「発電した電気を全て自家消費する」

この3つの選択肢から自分に最も合った方法を取る必要があります。3つの選択肢の特徴を詳しく解説します。

これまで通り売電を続ける

これまで通り売電を続けるというのは、FIT期間終了後に何もせず、これまで契約していた電力会社に引き続き売電を行うという意味です。FIT期間が終了すれば、基本的にはそのまま自動的にFIT期間終了後の買取価格で売電は行われることになります。

電力会社との契約は、多くの人が大手電力会社と行っています。

しかし大手電力会社はFIT制度終了後の電気の買取単価が低く、売電収入はこれまでに比べ大きく下がることが問題視されています。

大手電力会社のFIT期間終了後の電気買取単価は以下の通りです。

電力会社1kWhあたりの買取単価
北海道電力8円
東北電力9円
東京電力8.5円
北陸電力8円
中部電力7円
関西電力8円
中国電力7.15円
四国電力7円
九州電力7円
沖縄電力7.7円

大手電力会社で最も買取価格が高いのが東北電力の9円で、それに続いて東京電力が8.5円で買取を行っています。大手電力会社の買取単価は平均8円ほどで、いずれにしてもFIT期間中の買取単価よりもかなり低くなってしまいます。

これまで通り大手電力会社に売電を続けるのは、FIT期間終了後に面倒な手続きを取らなくていいというのがメリットですが、売電収入が大きく減るという問題をそのまま受け入れなくてはなりません。

売電する電力会社を変更する

2つ目の選択肢として挙げられるのが、「売電する電力会社を変更する」です。

電力会社の変更とは、大手電力会社から新電力会社に変更することを意味します。

新電力会社とは、2016年の電力の小売全面自由化により新規に参入した電力会社のことです。2016年までは電気は大手電力会社のみが販売しており、家庭でどこの電力会社から電気を買うか選ぶことはできませんでした。

しかし2016年からは電気の小売業への参入が全面自由化され、現在では新電力会社を含む多くの電力会社の中から、契約する会社を自由に選ぶことができます。

新電力会社の電気買取価格は1kWh単価10円以上のところも多く、大手電力会社の買取単価平均8円ほどに対して、高い数字を維持しています。新電力会社の別のサービスを同時に利用することによって、さらに買取単価を上げてくれる会社もあります。

単純に売電価格のみを見て考えるならば、大手電力会社に売電を続けるよりも、新電力会社に契約先を変更した方が大きな利益を得ることができるでしょう。

ただし、新電力会社は自社で発電施設を所有していない会社も多く、買取価格が不安定になりがちです。新規参入の会社という事もあり、倒産のリスク、信用の問題もあります。

新電力会社と契約する場合は、固有のリスクを十分に理解して、これまでの電力会社の売電価格と比較して判断するようにしましょう。

発電した電気を全て自家消費する

3つ目の選択肢が、「発電した電気を全て自家消費する」です。

FIT期間中は日中に発電した電気を自家消費し、余った分を売電するという形を取る人が多いですが、売電価格低下後は、電気を売らずに全て自家消費した方が結果的に多くの利益を得ることができます。

発電した電気を全て自家消費するには「蓄電池」の購入が必要です。

「蓄電池」とは、発電した電気を溜めておける機器のことであり、太陽光発電設備に後から併設することができます。

通常、太陽光発電設備による発電は、太陽の出ている日中にしか行えません。そのため夜間は電力会社から電気を買うことになりますが、蓄電池があれば日中発電した電気を蓄電池の中に溜めておけるので、夜間も自宅で発電した電気を使うことができます。

蓄電池がなければ、自家消費できる電気の量はどうしても限られてしまいます。FIT期間中の売電価格ならまだいいのですが、FIT期間後の売電価格で売電を続けることは、発電した電気を安く売り、夜間に電力会社から電気を高く買うということになります。

効率の悪い売電を続けるよりは、蓄電池を購入して発電した電気を全て自家消費した方が結果的に得になるのです。

ただし、蓄電池の設置は100~150万円ほどの費用がかかります。太陽光発電設備と同時に設置すればもう少し費用を抑えることができるのですが、二つの設備を同時に設置するのは初期費用が高額となってしまうこともあり、始めは蓄電池の購入を見送る人は多いです。

蓄電池はFIT制度終了後に大きな力を発揮します。実際にFIT期間終了後に蓄電池を購入する人は多く、蓄電池自体もここ数年で売上を大きく伸ばしています。

蓄電池は防災面でも大きな力を発揮します。蓄電池は電気を溜めておくことができるので、停電時などに電気が使えなくなったときでも、普段と変わらない生活を送ることができます。

蓄電池は設置費用が高額なことがデメリットですが、FIT制度終了後も太陽光発電設備を稼働し続けるならば、長い目で見れば最も利益が出る選択肢であると言えるでしょう。

FIT制度終了に備えて売電のあり方を見直そう

FIT制度の終了は、これまで売電収入を得ていた人には大きな痛手です。

FIT制度の終了を間近に控えている人は、電力会社の変更や蓄電池の購入などを検討して、売電収入の大幅な低下に備える必要があるでしょう。

FIT制度終了後も、これまでと同じ電力会社に売電を続けるというのも一つの選択肢ではありますが、太陽光発電で少しでも大きな利益を確保できるように、一度は売電のあり方を見直す必要が出てくると思います。

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