太陽光発電を導入するならFIT(固定価格買取制度)がお得!どんな制度?「卒FIT」とは?
太陽光発電を導入する際、必ず認定を受けておきたい制度が、「FIT(固定価格買取制度)」です。
太陽光発電のメリットは使用しなかった電気を電力会社に売電できるところですが、FIT(固定価格買取制度)によって20年間は固定額で売電することができます。
しかし、FIT(固定価格買取制度)とは詳しくどんな制度なのかわからないといった方は多いことでしょう。
本記事では、これから太陽光発電の導入を検討されている方のために、FIT(固定価格買取制度)の基本情報をまとめました。
FIT(固定価格買取制度)について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
FIT(固定価格買取制度)の基本情報を知ろう
FIT(固定価格買取制度)の基本的な情報を下記の内容にまとめました。
- FIT(固定価格買取制度)とは?
- FIT(固定価格買取制度)の内容
- FIT(固定価格買取制度)のメリットとは?
それぞれ解説します。
FIT(固定価格買取制度)とは?
FIT(固定価格買取制度)は、Feed-in Tariff(フィードインタリフ)の頭文字をとった用語で、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」を意味しています。
太陽光発電における再生可能エネルギー発電によって売電できることはメリットとして捉えられていますが、蓄電できる電気によって売電価格に差が出てしまうところがデメリットでした。
そこで導入されたのが電力会社が一定期間、一定の価格で電気を買い取りする制度、FIT(固定価格買取制度)です。
2017年7月、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(FIT法)」に基づいて開始されたFIT(固定価格買取制度)により、企業または一般住宅も太陽光発電導入によるハードルが下がりました。
ちなみにこの制度は太陽光発電だけでなく、地熱発電、水力発電、風力発電によって発電された電気にも対応しています。
FIT(固定価格買取制度)の内容
太陽光発電におけるFIT(固定価格買取制度)とは、具体的にどのような内容なのか解説します。
まず同制度は、“固定価格買取制度”の名の通り、一定期間、固定の金額で電力会社に売電可能です。
具体的には、太陽光発電などで発電された電気を電力会社の送電金につないで送り、電力会社が利用客から賦課金として集金し、そこから買取費用が支払われるといった流れになります。
ちなみに、一般住宅の固定価格買取制度の買取期間は10年、企業で導入した場合は20年とされています。
期間終了後も電力会社に売電は可能ですので、詳しくは後述します。
FIT(固定価格買取制度)のメリットとは?
FIT(固定価格買取制度)を導入するメリットを下記にまとめました。
- 電気を安く利用できてお得
- エネルギー自給率などに貢献
それぞれ解説します。
電気を安く利用できてお得
まず、FIT(固定価格買取制度)を導入することで余った電力が収入になるため、それだけでも電気代を節約することができます。
また、FIT(固定価格買取制度)は新電力会社に導入されていることが多く、新しい電力会社は電気代が比較的安いことから、より電気代を抑えた生活が手に入るメリットがあるのです。
エネルギー自給率などに貢献
FIT(固定価格買取制度)の導入は、日本のエネルギー自給率アップに貢献します。
国内で作られた電気を国内で再利用することにより、他国の電力に頼らなくて良い環境づくりが整います。
国際情勢に左右されることなく電力が使用できるだけでなく、余剰電力の確保によって輸出も可能になるなど、FIT(固定価格買取制度)は個人や企業だけでなく国単位でのメリットも兼ね備えているのです。
FIT(固定価格買取制度)の利用方法を解説
FIT(固定価格買取制度)は、太陽光発電設備を導入すれば付帯してくるサービスではありません。
必ず、その利用には手続きが必要になります。FIT(固定価格買取制度)の利用について下記の内容にまとめました。
- FIT(固定価格買取制度)の手続きについて
- FIT(固定価格買取制度)の買取額
それぞれ解説します。
FIT(固定価格買取制度)の手続きについて
FIT(固定価格買取制度)を利用するためには、再生可能エネルギー発電設備における、事業計画認定の申請を国にすることが必要です。
ケースによって内容も変わってきますが、一般的には電力会社から系統接続について同意を得た上で事業計画認定の申請となるため注意しましょう。
太陽光発電におけるFIT(固定価格買取制度)の手続きの事例を下記にまとめました。
- 事業計画認定申請書を作成する
- 必要書類と申請書類を提出
- 申請終了後に設置者が承諾により審査開始
- 審査内容に問題がなければ認定
50kW未満の太陽光発電設備であれば、「再生可能エネルギー電子申請ホームページ」からWeb申請も可能です。
直接事業者が申請するのではなく、代行業者に依頼した「代行申請機関」への手続きでも可能です。
詳しくは、経済産業省 資源エネルギー庁のHPから確認してみてください。
FIT(固定価格買取制度)の買取額
FIT(固定価格買取制度)を導入する上で気になるのが、買取価格です。
まず、必ず確認しておきたいのはFIT(固定価格買取制度)が導入された2012年から固定買取価格は年々下落しているといった現状です。
例えば、10kW未満設備(家庭用太陽光発電)における売電価格の推移を見ていきましょう。
2012年は42円/kWhだったのに対し、2023年には16円/kWhまで下落しています。
ただし、近年の下落幅が小さくなっていることや、FIT(固定価格買取制度)に認定された年の買取価格のままで売電が可能です。
FIT(固定価格買取制度)の利用を検討している方は、できるだけ早めに対応すると良いでしょう。
FIT(固定価格買取制度)の期間終了「卒FIT」について考える
上記でお伝えしたように、FIT(固定価格買取制度)は一般家庭であれば10年間、産業用であれば20年間の適応になります。
先の長い話だと思っている方も多いですが、10年経過した後、FIT(固定価格買取制度)を継続させることはできるのでしょうか。
結論から言えば、FIT(固定価格買取制度)の適用期間が終了した後は、固定価格での売電はできなくなります。
つまり、全く新しく太陽光発電設備を導入して再度申請するしかありません。
一方、「卒FIT」と呼ばれるFIT(固定価格買取制度)後の対策として、電力会社には卒FIT向け電力買取プランなども用意されているため利用を検討してみましょう。
そのため、適用期間終了後も売電することは可能になります。
ただし、注意したいのはFIT期間中の売電価格が下がることが多く、メリットが少ないとも言われているので注意が必要です。
売電価格は電力会社によって変わりますが、2021年の余剰電力買取価格(税込)を例に下記にまとめました。
- 北海道電力→8.00円/kWh
- 中国電力→7.15円/kWh
- 東京電力→8.50円/kWh
- 東北電力→9.00円/kWh
- 四国電力→7.00円/kWh
電力会社によっては2円以上も売電価格が変わる上に、固定期間の買取価格より明らかに下落しています。
ただし、FIT(固定価格買取制度)を利用していた電力会社に継続すれば手間もかかりませんし、蓄電池を導入するなど工夫することで売電量を増やすことはできるでしょう。
FIT(固定価格買取制度)を利用する際は、「卒FIT」のこともしっかりと視野に入れておきたいところです。
まとめ
太陽光発電設備を導入する際、FIT(固定価格買取制度)はぜひ利用したい制度です。
ただしそのための手続きには手間がかかるほか、売電価格や「卒FIT」について、幅広い視点での確認が必要になります。
まずは、FIT(固定価格買取制度)の基本的な知識をしっかりと養い、ご自身のケースに最も適した行動をとるようにしてみてください。